通関業務とテレワーク/在宅ワーク(国際エクスプレス貨物の場合)

いろいろな業種がテレワークを模索する中、通関業はこれからどうなるのだろうか?

業態のいろいろ

通関業と言っても、例えば、1件の書類作成にかなりの時間を要する様な通関を1日に数件扱う業態もあります。

一方、一件が数分でできてしまう様な通関を1日に何千件も行う業態もあります。

これが一般に国際エクスプレス貨物と言われるものです。

これらをジュッパヒトカラゲにしてテレワークが出来るとか出来ないなどと言うわけにはいかない。

因みに私の勤務先は後者の方で、ここではエクスプレス貨物の通関業務について、在宅ワークが可能なのかを考えたい。

因みにエクスプレスの場合、取り扱いは、輸出も輸入も日に1万件を超える。

テレワーク在宅ワーク)必要性

もちろん、コロナ禍における感染防止という意味では重要ですね。

ただ、この業界にはそれ以外にも慢性的な人手不足が起きています。

エクスプレスの場合、昼夜を問わずピークタイムに多くの人材が必要になります。

ピークタイムに合わせてフルタイムの人材を確保すると人件費が大きく膨らんでしまう。

短い時間で良いので、働いてくれる人が必要となっているわけです。

ピークタイムや深夜の業務などは、例えば育児休暇中の方や、シニアの方、それから副業の人など、出勤が難しい人にも助けてもらいたい。

わざわざ出勤してきて数時間だけ仕事するより、在宅で出来れば担い手は増えるのではないか。

深夜も、例えば「0時から3時まで自宅のパソコンから仕事をする。」とかなら給料次第では悪くない様な気がする。

因みに夜勤に関して、現在は深夜の通勤手段が限られるため、夜から朝までのフルタイムにせざるを得ず、なかなか募集しても来てはくれない。

法令的には問題ないか?

元々、通関業は通関行法の条文により、在宅ワークは許されなかった。

何故なら、通関業務は管轄する税関から許可をもらった営業所以外の場所でしごとをすることは出来なかった。

それが、数年前の通関業法改正によりその仕組みが変わり、通関業の許可を取ればどこで業務をしても良いことになった。

これにより、法令上は在宅勤務が可能になったわけだ。

の問題

通関の仕事は紙をなくす事がすごく難しい。

特にこの国際エクスプレス貨物の通関にとっては、おそらくこれが一番の問題だろう。

インボイスの書式がまちまちであるため、PDF化した書類をモニター画面でチェックするには限界がある。

社内システムとRPA

通関をサポートする社内の基幹システムがさらに進み、モニター画面の中での書類作成が容易になればかなりテレワーク出来る人数は増えるでしょう。

また、通関業者に限らず、他の業種でも感じると思うが、印刷せずに仕事をしようとすると、結構煩わしいことがある。

例えば、PDFに書き込みを入れてメールするとか。

そう言う様々な煩わしい部分などをRPAで補う必要もありますね。

ハンコ問題はあるか?

昨今、よく話題に上るハンコ問題。

ハンコのために出社すると言う悲しい現実もある様です。

通関業に於いてこの問題は、原本の提出が必要かどうかということと大きく関連していますね。

そういう意味では、現在、税関に対する書類はかなりの多くの種類の書面を、PDFで提出することができる様になりました。

ただ、まだ一部の書類は原本の提出が必要です。

お客さんから書類を自宅に送ってもらうわけにもいかないから、これについてはオフィス業務になるでしょうね。

住宅事情

これは業種問わず。

「仕事部屋があれば在宅もいいけどうちはねぇ〜」

そういう人も多いでしょう。

まとめ

通関業者で働く、特に古参の中には、まだまた紙の書類信者がいます。

驚くことに結構中堅の社員にも在宅ワークに興味のないひとが一定数います。

当然税関は役所ですから新しいことにどんどんチャレンジしていく風土では無いので、「どうせ無理」と感じているのかもしれませんね。

でも、その税関でさえなるべく電話などで済ませて、来庁を控えてほしいと言っています。

今回のコロナ禍を機会に大きく変われるといいですね。

いえ、きっと変わります。

だって家族と一緒に晩ご飯食べたいじゃ無いですか。

コメント

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