個人輸入の6掛けについて

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個人輸入する場合の課税価格の算出方法

輸入者が個人で使用する目的で輸入する場合、「6掛けで申告できる」と聞いたことがある人も多いと思います。

この「6掛け」とは具体的にどういう事なのか?

曖昧に理解していませんか?

概要

何に対して0.6をかけるのか?

そもそも日本での輸入通関では「CIF」と言って、単純に言うと品物の価格(価値)と運賃、保険をあわせた金額に対して課税します。

では、今回のテーマである、「6掛け」とはどの金額に6掛けした金額なのでしょうか?

それは上記で言う、保険と運賃を含めない、品物の価格(価値)のみに0.6をかけた金額です。

【例】

例えば30000円の商品を購入して、運賃が3000円、保険が150円かかっていたとします。

この場合のCIF価格は30000+3000+150=33150円となります。

これが個人使用の場合は30000x0.6=18000円となりこれをCIF価格として税額を算出します。

手数料などには注意してください。

運賃、保険以外に手数料などがある場合は加算してから6がけします。

1万円以下の申告価格に関する免税について

ご存知のかたも多いと思いますが、申告価格が1万円以下の場合、免税が適用されます。

ですから、運賃と保険を引いた額が16666円以下であれば、個人の場合、免税の対象になるわけです。

(16666円 x 0.6 = 9999円)

ここでいくつか問題点があります。

個人使用かどうかは購入した人でなければわからない。

これは購入した人の目線からすると意外かもしれませんが、今では海外の通販サイトから仕入れて国内で販売している個人事業者も多くいらっしゃいます。

この方達にとっては、そのまま個人使用で手続きされてしまうと、後々税務署から怒られてしまいます。

とはいえ、海外の通販サイトから来る荷物を全件問い合わせるのは物理的に不可能です。
また、個人名で輸入するのは通販サイトからばかりではありません。海外向けに出荷している会社から個人で仕入れて商売をしている人もいますし、個人的に使うひともいます。

本人に確認する以外本当の意味で正しい申告はできないことになってしまいます。

ある程度、実績などをもとに判断して手続きをしますが、配達後に輸入者から間違いを指摘されることもあります。

この部分についてご立腹のブログなどをよく見ますが、100%間違いなく申告するのは不可能に近いと思います。

買い物をする方からしても、毎回「これは個人使用ですか?」と電話がかかってくるのも煩わしいですよね。

「通販で買ったのに6掛けしないで通関された」とか、逆に
「仕入れなのに、勝手に6掛けされた」とか・・・・

これについては、どこの業者もクレームを上げていただいて、返金処理や修正申告で対応していると思います。

便利さと法令遵守の間で企業努力は果てしなく続いています。

1万円以下の免税には例外もある。


このことについては、以前の記事をご参照ください。
http://keyoflife.tokyo/2019/04/25/post-24

現状

昨今の海外通販の増加に、法令が追いついていないのが実情だと思います。

グローバルでシームレスな時代になり、国益を考えれば、法令整備は必須だと思います。

今後に期待です。

ただ、関税は、国内の産業を守る意味がありますので、免税の例外物品などを変更するだけでも簡単ではありません。
現在の法令では、たとえTシャツ1枚ととスニーカー1足を買っただけでも、これらの判断や計算、申告手続きがあるわけですから、通販の爆発的増加に伴いコストも大きく膨らみます。

物流会社、通関業者などの企業努力とともに、法令整備、緩和が進むと良いですね。

今回の記事に関する法令の根拠などはまたあらためて記事にさせていただきます。



コメント

  1. […] 関 税= 商品の価格x0.6x税率消費税=(商品の価格x0.6+関税額)x消費税10%合 計= 関税額+消費税額(上記2つの合計)※織り生地の商品の場合、商品価格x0.6が1万円以下の場合、免税となります。 【参考記事 https://keyoflife.tokyo/2020/03/28/post-265/ 】 […]

  2. […] 個人輸入の場合購入金額の総額がCAD216.24以下であれば関税及び消費税は免税になります。 これについて簡単に説明すると CAD216.24 x @77.07 = 16,665円となります。個人輸入の場合、これに6がけした価格を申告価格とすることができますので 16665 x 0.6 = 9,999円となり、1万円以下の免税が適用されます。 過去記事参照 […]

  3. […] […]

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  6. […] […]

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